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「怪物はささやく」 [映画]

kaibutsuhasasayaku.jpg
〔2016年/アメリカ〕


コナーは、
難病の母と暮らす13歳の少年。


母の病気は重い上に、
学校ではいじめに遭い、
唯一の楽しみは、
絵を描くことと、妄想だけ。


ある日、そんなコナーの所に、
墓地から怪物がやってくる。


怪物は、
「自分が3つの物語を話すから、
 お前が4つ目の物語を話せ」とコナーに迫るが・・・。





試写会で観た。


まず、映画の上映の前に、
「第55回 優秀外国映画輸入配給賞」の
授与式があった。

shikiten.JPG

なんだかよく分からないけど、
そのような凄そうな式典に、
私のような者が参加していいのか!?と思う。
普段着だし(笑)。


それに、大抵の式典って、
なんか、壇上に上がった人が、
小難しい事を長々スピーチして、退屈・・・という刷り込みがあり、
「仕方ない、試写が始まるまで、
 頑張ってやり過ごそう」というくらいの気持ちでいた。


ところが、式典は、
そんな風に考えて事を申し訳なく思うくらい、
素敵なものだった。


この、「優秀外国映画輸入配給賞」というのは、
優れた外国映画を買い付けた映画配給会社に贈られる賞で、
映画作品そのものに与えられる、
他の映画賞とは一線を画しているのだそうだ。


今年は、
最優秀賞はギャガさん(「ルーム」など)。
優秀賞はロングライドさん(「スポットライト」など)。
奨励賞はファントム・フィルムさん(「アイ・イン・ザ・スカイ」など)。
そして、特別賞はポニーキャニオンさん(「ラ・ラ・ランド」)。


各会社の皆様のスピーチを総合すると、
映画の買い付けというのは、
先見の明と、決断が何より大切で、
リスクの伴う、大変なお仕事だとの事。


買い付けた映画がヒットしたり、
アカデミー賞にでも絡んでくれれば御の字で、
ヒットしない作品の方が多いくらいだという。


それでも、このような会社で働いてくださる社員の皆様のおかげで、
私のような者が、
日々、映画を楽しみ、
そして、ブログを書くことができる。
本当にありがたい事だと、
心からお礼を言いたくなりました。


式典のあと上映されたのが、
最優秀賞を取ったギャガさん配給の、
この「怪物はささやく」。


孤独な少年と、怪物とのダークファンタジーで、
この怪物というのが、
墓場に立っている大きな木が
動き出したものというのに、
胸ときめいてしまう。


不動が宿命の木が歩きだすという物語はたまにあるけど、
どれを観ても、毎回、
うわー、と思ってしまう。
心のどこかで、
樹木というものに、
何か畏怖の念のようなものを感じているからかもしれない。


母の重い病と、いじめが辛く、
ちょっと暗くなってしまったけれど。


評価 ★★★☆☆

「無限の住人」 [映画]

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〔2017年/日本〕


100人斬りの異名を持つ侍・万次(木村拓哉)は、
目の前で、最愛の妹を惨殺され、
生きる意味を失う。
すると、そこへ現れた謎の老婆(山本陽子)から、
体の中に「虫」を入れられる。
「虫」は、あらゆる傷口を塞いでしまう力があり、
万次は不死身となる。


50年後。
逸刀流統主・天津影久(福士蒼汰)に
両親を殺された少女・凛(杉咲花)は、
復讐を誓う。


凜は、江戸のどこかに存在するという、
不死身の男を探し回り、
やっと万次に辿り着く。
凜の姿が、
かつて殺された妹にソックリな事に驚く万次。


凛の敵討ちの手助けをすると決めた万次は、
影久を追ううちに、
壮絶な戦いに身を投じてゆく事となる・・・。





試写会で観た。


拓哉だ。
去年、正月明けから大晦日までの丸々一年間、
私を振り回し、
一喜一憂させた、
SMAPの木村拓哉だ。


拓哉の姿をスクリーンで観るのは、
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」以来
7年ぶり。
「どこを切っても拓哉」だった、
7年前の、あの演技から、
変化はあるのか、
それとも、変っていないのか。


まぁ、私はどちらでもいい。
拓哉の演技には、
特に期待はしていない。
SMAPのメンバーとしての拓哉が好きだった。
5人揃った時が好きだった。
もう、この世にSMAPはいない。


で、映画。
中々面白かった。
拓哉がもう、
バッタバッタと人を斬りまくる。
「そ、そんなには無理じゃない?」と思うくらい斬る。
でも、違和感はなく、
むしろ、流れ出す血を楽しむ。
グロいとも思わない。


拓哉が斬られると、
その傷口に、
何やら、うじゃうじゃしたものが蠢く。
これが、謎の老婆から体に入れられたという「虫」か。
実際、体の中に虫がいると想像すると、
ゾッと背筋が寒くなるけれど、
その辺の映像は上手くできていて、
嫌悪感は湧かない。


それより、
この「虫」のおかげで不死身だというけれど、
死因って、
何も斬られた時ばかりとは限るまい。
もしも、焼死したとか、
溺れ死んだとか、
毒殺されたとかだったら、
この「虫」は役に立つのだろうか。


死ねない拓哉は、
毎日が退屈で、無為に生きている。
生きる事に飽きている。
やっぱり人は、終わりがあるからこそ、
今しか出来ない事に
一生懸命になるのでしょうね。
私は永遠の命なんていらない。


一応、時代劇の体をなしてはいるけれど、
無国籍映画といっていいだろう。
人々の髪形も、着物も、刀も、
日本であって日本でないような描かれ方。
何も考えずに楽しめる。


評価 ★★★☆☆

「秘密 THE SECRET」 [映画]

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〔2007年/フランス〕


眼科医のベン・マリス(デイヴィッド・ドゥカヴニー)は、
妻・ハンナ(リリ・テイラー)と、
反抗期真っ只中の娘・サマンサ(オリヴィア・サールビー)との
3人家族。


ある日、ハンナの運転する車が、
事故を起こし、
助手席に乗っていたサマンサ共々、
危篤状態となってしまう。


結局、ハンナは亡くなり、
サマンサだけ生き残るが、
言っている事がおかしい。
自分は、サマンサではなく、
ハンナだと言うのだ。


最初は、
サマンサが混乱しているだけだと思ったベンだが、
2人だけしか知らない秘密を話すサマンサに、
次第に、彼女の体にハンナが乗り移ったのだと
信じるようになる。


見た目はサマンサになったハンナは、
学校に通うようになるが・・・。





東野圭吾さんの傑作小説「秘密」を
広末涼子主演で映画化したものは、
以前に観たけれど、

http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2011-04-01
まさか、フランスでリメイクされているとは知らなかった。


まず、欧米の映画らしく、
夫婦がイチャイチャイチャイチャ、
思春期の子供がいても、
まるで平気でキスしたり、抱き合ったり。


もちろん、それは、
その後、起こる悲劇を、
観る者により悲しく感じさせるための
演出なのは分かってるけど。


夫婦、親子の葛藤は、
多くの方が書かれているので、
いいとして、


見た目は娘、
心は母、という女性が、
高校に通い始める、
そこでの展開が興味深かった。


母は、娘の男性関係や、
大麻を吸っている事などを知り、
最初は、大変なショックを受ける。


けれど、娘の体に慣れてゆくにつれ、
次第に遊ぶようになり、
ドラッグを経験。


彼女のセリフから察するに、
どうやら、体中にパワーやらホルモンやらがみなぎって、
発散せずにはいられないらしい。


なるほどね。
若いってそういう事なのね。
自分が高校生の頃は、
そんな事、気付きもしなかったけど、
そう言われれば、分かる気もする。


日本版ほど、心の機微は感じられないけど、
欧米版だと割り切れば、
楽しめる。


不思議なのは、
この映画が、
日本で未公開だった事。


東野さんの原作なのだから、
日本で公開しても良さそうなのに。
何か事情があったのだろうか。


評価 ★★★☆☆

「特急にっぽん」 [映画]

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〔1961年/日本〕


12時半きっちりに東京駅を出発した、
特急こだまは、夕方7時に新大阪に着く予定。


食堂車ガールのサヨ子(団令子)と、
食堂車のシェフ・喜一(フランキー堺)は恋仲だが、
サヨ子が、喜一と大阪で弁当屋を開く事を夢見ているのに対し、
喜一は、東京の一流ホテルで働きたいという夢を持っている。


サヨ子は、
客室乗務員の有女子(白川由美)が、
喜一に接近している事に気付き、
嫉妬に燃える。
実は有女子は、
今度自分が赤坂で開店するレストランのシェフに
喜一を採用したいと考えているのだ。


そのレストランに出資してもいいという、
中年男・岸和田(小沢栄太郎)も
列車に乗っていたが、
彼は途中で乗ってきた、
チャイナドレスの女・ヤエ子の色香に参ってしまう。


そんな中、
列車に時限爆弾が仕掛けられているとの
噂が流れ・・・。





全編、ほぼ、
列車の中だけで物語が進行するのであるが、
これがめっちゃ面白い。


人間関係が入り乱れて、
でも、それがちっとも不自然じゃなくて、
お話がどんどん進んでゆく。


まぁ、どんどん進まないと駄目なのは当然。
だって、東京・大阪間という、
限られた時間と距離でのお話だから。
全てがその中でオチが付かないと、
作り手側も、見る側も、困るわけで(笑)。


小ネタも沢山ある。
特に小沢栄太郎さん関連。
小沢さんの部下が、
小沢さんの悪口言ってるのが、
車内放送で流れちゃったり、
小沢さんのお財布を開くと、
わざとらしく、札束が飛び出すように
入れてあるなど。


前にも書いたけど、
小沢さんは、
素で喋ると本当に素敵な紳士なのに、
どうしてこうも、嫌みな役が上手いのか。
凄い人です。


コメディなので気楽に楽しめばいいのだけれど、
一箇所だけ、
この小沢さん絡みで、
気まずいだろうなぁと思った場面がある。
それは小沢さんと、白川由美さんの関係。


小沢さんは、白川さんのレストラン開店に、
出資してもいいと言っているが、
2人の間に、男女としての結びつきはない。


そんな中、色気で小沢さんに迫る女・ヤエ子が現れ、
こちらも、店の出資者を探していると言う。
小沢さんは、
お堅い白川さんより、ヤエ子に出資したいと考えるようになる。


例えば、小沢さんと白川さんとが、
愛人関係であったとしたら、
白川さんは、泣いて彼を責める事もできるだろうが、
それもできず、
なんとも、説明しがたい空気が二人の間に流れる。
そもそも、
小沢さんの役のような、色と欲だけの男に、
金だけ出させて、
あとは何も無し、というのが無理なんだろう。


様々なドタバタした場面を、
列車の外側から、
セリフ無しで映す場面など、秀逸。


評価 ★★★★☆

「ミッション:8ミニッツ」 [映画]

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〔2011年/アメリカ〕


ジェイク・ギレンホールが列車の中で目を覚ますと、
見知らぬ女性・ミシェル・モナハンが親しげに自分に話しかけてくる。
彼女の話から、
自分と彼女は旧知の仲という気がするが、
自分は彼女の事を知らず、混乱する。
そうこうするうちに、列車はシカゴに近付くが、突然大爆発を起こす。


ショックで目を覚ますと、
そこは軍の研究所。
ギレンホールは、
列車爆発事件の犠牲者の意識に入り込み、
爆発までの8分間の間に、
犯人を捜すという命令を受けていたのだ。


もう一度、列車の中に戻ったギレンホール。
状況は前回とまるで同じだ。
爆発物を探す。
あった。
仕掛けたのは、
今、この列車に乗っている誰かだ。
次の駅で降りるはずだ。


また軍の研究所で目が覚める。
犯人を見つけられないまま、
8分が過ぎてしまった。
また列車の中へ意識を戻す。


何度も繰り返すうち、要領を飲み込み、
犯人に近付くギレンホール。
さらにモナハンに対して、
特別な感情を抱くようになり・・・。





以前、素晴らしいと思った映画、「月に囚われた男」を撮った、
ダンカン・ジョーンズ監督の2作目の映画。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2014-06-14


これもとても面白かった。
すごいな、ジョーンズ監督。
3作目の映画が今年公開されるらしい。
楽しみだ。


列車爆発事件の犯人を捜すため、
何度も、列車と軍と研究所を意識の往復をする、
ジェイク・ギレンホール。


映画の中のセリフにもあるけど、
それはタイムトラベルではなく、
意識の中で、
状況を変えてゆき、
犯人を捕まえるという。


それだけでも、もちろん面白いけれど、
観ているうちに、
色々疑問が湧いてくる。
「これだけで終わるわけがない、絶対なにかある」と。


で、「そうきたか」という展開が待っている。
私がギレンホールだったら、
ラストはやっぱり彼と同じ選択をしただろうと思う。


大爆発して、乗客全員が即死する列車の場面が、
今、いつどこでテロが起こってもおかしくないという
世界情勢では、
シャレにならない気がした。


細かい事は詳しく書けないけど、面白く、良い映画だった。


(※このレビューは、一年以上下書きに入っていたものを出しました。
  情報が多少古くて申し訳ありません。
  ジョーンズ監督は既に4作目の映画を発表しているようです)


評価 ★★★★☆