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「ステキな金縛り」 [映画]

sutekinakanashibari.jpg
〔2011年/日本〕


失敗ばかりの弁護士・深津絵里。
彼女が10歳の時亡くなった父、草なぎ剛は、
優秀な弁護士だったが、
彼女は父の名を汚してばかり。


崖っぷちの彼女が、法律事務所の所長、阿部寛から任された
新しいの案件は、
妻殺しの容疑で逮捕されたKANの無実を晴らす事。
彼はアリバイがあると主張するが、
なんとそれは、古い旅館に泊まっていた際、
落武者の幽霊に乗りかかられ、金縛りにあっていたというものだった。


その旅館に行き、一晩泊まった深津は、
KANが会ったという幽霊・西田敏行に、同じように乗りかかられる。
深津は西田に、裁判で証言してほしいと頼み、
西田は、自分の慰霊碑を建ててもらう事を条件に、
それを承諾する。


深津と争う検事、中井貴一は、冷徹で非科学的な事は一切信じない男。
彼は幽霊の証言など絶対に認めないと息巻く。
西田の姿は、誰にでも見えるわけではなく、
ある3つの条件が備わっていなければ透明人間のようで、
そこにいないも同然。
そんな状態で、どうやって裁判しようというのか。


前代未聞の裁判に、日本中が大騒ぎ。
それでも、全面的にバックアップしてくれる阿部寛を味方に、
深津と西田の頑張りが始まる。
その後も大勢の人が入れ代わり立ち代わり現れて、
ドタバタドタバタ大騒ぎ・・・。





劇場内は、爆笑に次ぐ爆笑。
拍手する人までいて、
映画を観ているというより、舞台演劇を観ているような雰囲気。


私は三谷幸喜の術中に嵌るのもちょっと悔しいので(笑)、
なるべく冷静でいようと思っていたが、
それでも途中から爆笑してしまった。


一番気に入ったのは中井貴一。
彼はもう、これ以上ないというくらいカッチリと七三に分けた髪型で、
クールな検事を熱演。
しかし彼がクールに振る舞えば振る舞うほど、
その滑稽さが強調されるという、
その演技がめっちゃ上手くて可笑しい。


今回、佐藤浩市はチョイ役だったが、
「ザ・マジックアワー」での怪演が、
3年も経っているのに、まだ生々しく体に残っているので(笑)、
スクリーンに登場した瞬間、
「待ってました!」という気持ちになる。
今回もまた怪演。
と、ここまで書いて調べたら、
たぶん、「マジックアワー」の村田という俳優役を、
本作でも演じているという設定なんですね。
名前が同じなので。


もちろん、深津絵里と西田敏行も好演。
深津は落ちこぼれ弁護士の役が可愛いし、
西田は、この世に未練を残した落武者の役を、
懐深い演技で魅せていた。


私が、「そうなればいいな」と思い、
たぶん、多くの人が「そうなるだろう」と予想したであろう、
結末が待っていて、
不覚にも泣いてしまったよ。
やっぱり三谷幸喜の術中に嵌ってしまったらしい。
悔しいけど、ま、いっか(笑)。


評価 ★★★★☆

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「やわらかい生活」 [映画]

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〔2005年/日本〕


寺島しのぶ。35歳。
彼女は、
両親を阪神大震災で、
恋人を地下鉄サリン事件で、
親友を同時多発テロで、
それぞれ亡くしたと、自分の身の上を語っているが、
どうもそれは眉唾らしい。


一度行った蒲田の街を気に入り、
引っ越してくる。
両親が亡くなった際の保険金で食べているので、
仕事はしていない。
彼女は精神を病んでいるのだ。


大学時代の友人で、
議員に立候補している男と偶然再会し、
ベッドを共にするが、
彼はEDで、性交するまでには至らない。


九州から従兄弟の豊川悦司が転がり込んできて、
泊めてやる。
彼とは昔、一度だけ関係したが、
今は妻子があり、
離婚話が出ているようだ。


蒲田を紹介するサイトにアクセスしてきたチンピラヤクザ、妻夫木聡と会ったり、
出会い系サイトで知り合った中年男と、
「合意の上での痴漢ごっこ」なるものをしたり、
まぁ、そんな生活、
そんな女だ・・・。





これは落ち込む。
観ている間も、
観終わってからも、
どんよりとした、暗い気持ちになる。


寺島しのぶの、
病気の場面がとても辛い。
発症した時はたまたまトヨエツがいてくれて、
薬を取りに行ってくれたり、甲斐甲斐しく看病してくれたからいいが、
普段は一人で暮らしているのだから、
何もかも自分でしなくてはならない、
その孤独感、
八方塞な感じがたまらなく辛い。


私は病気の事は分からないので、
無責任な事は言えないが、
出会い系サイトの男と会うくらいなら、
少しでも働いてみたらどうなんだろう。
それとも、
単発的に人と会うのはいいけど、
同じ人と連続して会うのは駄目なのか。


聞き逃してしまいそうなセリフだが、
ものすごく引っ掛かる言葉があった。
寺島が、議員候補の友人に、「結婚しないの?」と聞いた時、
「母がさ、嫁いびりするタイプで駄目なんだよ」と言ったの。


まだ結婚もしていないうちから、
実の息子に「嫁いびりする女」と認定される母って、
一体どんな女なんだよ(笑)。
母は息子が、自分をそんな風に思ってる事を知っているんだろうか。
私がその母だったら、悲しいなぁ。
まぁ、もしかしたらEDで結婚できないのを、
母のせいにしているだけかもしれないけどね。


評価 ★★★☆☆

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「ドンファン」 [映画]

DonJuan.jpg
〔1995年/アメリカ〕


現代。ニューヨーク。
ある夜、若い男がホテルのレストランに入ってきた。
恋人と待ち合わせしているらしき女に近づき、
巧みな言葉で部屋に誘い、
最高の恍惚を与え、
そして去って行った。


ジョニー・デップ演じるその男は、
自らを“ドンファン”と名乗り、
その後、ビルの屋上から飛び降りようとするが、
精神科医のマーロン・ブランドに説得され、
自殺を断念。
そのまま病院に入れられた彼は
ブランドに自分の恋愛遍歴を語り始める。


生れた時から、他の男の子とは違っていたデップは、
16歳の時、家庭教師の人妻と初めての体験をする。
しかしそれが、彼女の夫に知られる事となり、
怒り狂った夫に、父を殺されてしまう。


ショックのあまり母は修道院に入り、
デップは船旅に出るが、
船はアラビアの港に着き、
彼は奴隷として売られてしまう。


売られた先は王様の大奥。
彼の仕事は、正妻の夜のお相手をする事だったが、
そこには1500人もの、王様の愛人がおり、
彼は1500人通り(!)の愛の手ほどきを受ける事になる(笑)。


その後も、彼の話は続くが、
それが事実なのか、虚言なのかが、ブランドには判断がつかない。
しかし大真面目に愛を説くデップに、
ブランドは次第に、妻フェイ・ダナウェイをもう一度愛する気持ちが芽生えてくる・・・。





西洋の漁色家と聞けば、
まず、ドンファンとカサノヴァを思い出す方も多いであろうが、
遠藤周作さんは、両者は全くタイプが違うと書かれておられた。


カサノヴァは、女なら誰でもいいと言わんばかりに、
数だけを誇っていたが、
ドンファンは、恋愛の駆け引きに長けていた、と。
私は、どちらの物語も読んだ事がないので分からぬが、
「なるほど」と思った記憶がある。
(ドンファンは架空の人物、カサノヴァは実在の人物であるが)


で、このドンファン。
デップは21歳という設定であるが、
その若さにして1500人斬り!(笑)。


そのハーレムの場面、
1500人もの裸の女が、
大広間でくつろいでいる様子は壮観だった(笑)。
それだけの女から手ほどきを受ければ、
そりゃあテクニシャンにもなるだろうよ(笑)。


彼はとってもロマンティストで、
人妻との初恋話から現在に至るまでの恋愛遍歴を、
まるで物語のように、美しく語ってみせる。


それを演じるのがジョニー・デップなものだから、
もう内容なんてどうでもよくて、
ひたすら彼の顔を見つめてしまう。
なぜかアップのシーンも多くて(笑)。


最近の彼は、かぶり物映画(コスプレって意味です)の出演が多くて、
ちょっと辟易しているのだよ。
(この映画も厳密にいえばかぶり物だけどね)
もっとこういった映画に出ればいいのに。
自分の子供に気を使ってばかりいないでさ。


評価 ★★★☆☆

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「一人息子」 [映画]

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〔1936年/日本〕


1920年代。
信州で暮らす飯田蝶子は、
勉強のできる一人息子がこのまま小学校だけで終えるのは惜しいと、
担任教師、笠智衆から言われ、
東京の学校に出す決心をする。


十数年後、
彼女は初めて東京で暮らす息子を訪ねる。
生活を切り詰め、学費を捻出してきた飯田は、
息子がどんなに立派な人間になったか期待していたが、
彼は夜間高校の教師になっており、
想像していた息子とのギャップにガッカリする。


しかも、息子は、いつの間にか結婚し、
子どもまで生れていたのだ。


飯田を精一杯もてなす息子夫婦だったが、
彼女の心は晴れず、
夜、息子の職業に関して、つい愚痴を言ってしまう。


ところが翌日、
隣に住む小学生が馬に蹴られるという事件が起き・・・。





小津安二郎監督の初のトーキー映画という事だ。


息子が夜間高校の教師となり、失望する母、という設定だが、
まず、なぜ教師という仕事にガッカリするのかを理解できなければ、
この映画は楽しめない気がする。


私は、「高校の先生の何が悪いの?」というクチなので、
なんだかよく分からない。
そんなに駄目か?
お給料は少ないかもしれぬが、
立派な職業じゃないか。


「低め安定」、「平凡」こそ、何よりと思っている私には、
この息子は最高に思えるのだが。


息子のお嫁さんというのがまた、
めちゃくちゃいい人なのだよ。
彼女は東京見物する姑の為に、自分の着物を売ってくる。
しかも夫に内緒で!
その金を夫にそっと差し出す姿に、
心を打たれるよ。


飯田が田舎に帰ったあとも、
「お母さん、喜んでくれたかしら」と本気で心配してるし。
こんないい嫁を選んだ息子を誇りに思わなくちゃ、
それこそバチが当たる。


そうそう、それより、笠智衆の方がショックだった。
彼は、信州にいる時、
大変に志高く、「私も東京で勉強するつもりです」と飯田に話し、
息子と同時期に上京する。


しかし、飯田が息子に伴われて彼の家に行くと、
以前あった、燃えるような熱意はすっかり失われ、
落ちぶれている。
私にはこちらの方が心配だったよ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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◆九龍城探訪&最期の九龍城砦◆ [本]


九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-

九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-

  • 作者: 吉田 一郎
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2004/02/21
  • メディア: 大型本



最期の九龍城砦

最期の九龍城砦

  • 作者: 中村 晋太郎
  • 出版社/メーカー: 新風舎
  • 発売日: 1996/02
  • メディア: 大型本


後悔だらけの私の人生であるが、
その後悔に順位をつけるなら
香港の九龍城に行かなかった事も、
かなり上位に食い込む事柄である。


ご存じの方も多いであろうが、
九龍城とは、
1994年に取り壊された魔窟と呼ばれる、
建造物である。


なぜ、魔窟なのか。
九龍城は、ちゃんとした設計図のある一つの建物ではなく、
いわば違法建築といえる、
継ぎ足された建物が膨れ上がった状態であり、
中には、隣の建物に寄り掛かるようにして建っているものや、
隣の建物の外壁を内壁にしている、
豪快な部屋もあったという。


そんな状態だから、
24時間太陽の当たらない建物が殆どで、
また、素人が電気から水道まで引いてくるものだから、
廊下は電線やら配管やらで、
ごちゃごちゃなのが、写真から見て取れる。
屋上もまた、無数のテレビのアンテナが無秩序な状態で張られている。
(上手く説明できないのがもどかしい)。


内部では、麻薬、賭博、売春、違法診療などが行われ、
不法滞在者の棲み処としても、もってこいの場所だと言われるが、
いやいや、想像されているよりずっと平和で、
住人たちは、ある秩序を持って生活していたという話もある。


政府の干渉を拒み続けていたようで、
治外法権だったらしく、
これは想像だけれど、
犯罪者が匿われたら警察もお手上げだろうなという気がする。


私は九龍城の事を考えると、
なぜか、胸がぎゅっとなって、
物凄く懐かしい気持ちになる。
前世で住人だったら面白いのに、と思う(笑)。


今はもう存在しない九龍城。
もう二度と、あんな規模で、
あのような建物ができる事は無いだろう。
なぜ取り壊したのか。
中国政府は惜しい事をしたものだ。
仕方がないので、
何冊か持っている写真集を、
時々取り出しては眺めている。


もしどなたか、
外からでも、九龍城を見た事がある、という方がおられたら、
お話を聞いてみたいです。
(さすがに、中に入ったという方はあまりいないでしょうし)

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